劇場でひとり、しめやかに発狂

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Block.B SPECIAL UNIT STAGE 2017 "T2U"

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Block.B SPECIAL UNIT STAGE 2017 "T2U" @Shibuya www x 

今さらBlock.Bに傾き始めた

東方神起に端を発し、かれこれ7年くらいK-POPが好きです。

そんな理由で、もちろん知ってたし、結構積極的に見聴きしてたし、何なら好きなメンバーもデビュー当時から変わらないんだけど、今更ステージを初めて真面目に見てズブズブと沼に落ちたお話。

初めてのぶろびライブでやっぱりユグにはまる。そしてジコすげえ。

私の趣味は一貫していて、つんとして通った鼻筋×大きめで自然ないい歯並び×鋭いフェイスラインの人はだいたいツボにはまる。それで歌がうまかったり、人として尊敬できる部分があったり、ダンスや表情に色気があったりするとものの見事に惚れてしまう。

この惚れるは「結婚したい」「付き合いたい」ではなく、「こうなりたい」に近いかも。

という理由からとにかくどストライクでユグォンが好き。まじで好き。

初めてBlock.Bの単独ライブに足を運んだのが7月。

その時遠目からみたユグは顔はもちろんかっこいい上、振る舞いや踊ってる時のフェロモンにやられて、刺さりかけてた釘が私を貫通。そこから一気にゆぐやばいbotと化し、同行した友人もユグにはまるという棚ぼた。その後まもなくテイルと2人でライブやるっていうんだもの、行くしかないでしょ!ということで今回足を運びました。邪極まりない。

合同コンサートでぶろびを見たことはあったけれど、フル尺の彼らのステージはとてもよくて。フェスのように次々ソロやユニットが出てくるスタイルも楽しかった。賛否両論あったみたいだけど。インターバルがあるとワクワク度も増すし、一回気持ちがリセットされるから次に備えやすい。

今思い出すと、特に終盤に満を持して登場したジコの圧倒的な存在感とカリスマ性はもう異次元。正直ゴリゴリのヒップホップを好んで聴くわけじゃない私でも、ジコの放つオーラにはぶちのめされました。わかりやすくかっこいいし、自然と体が動いて声が出る空気を作るのがものすごくうまい。やってみたい、こうしたい、具体的なイメージがジコの中にはあって、まるで写真を現像するようにアウトプットできるのは彼の才能に他ならないと思う。

それはぶろび全体にも言えることで、グループにもやっぱり明確な「らしさ」がある。はっきりと言葉にするのは難しいけれど、ぶろびブランドとして確立しているのはそういう明文化できない部分だと思う。

しっかりぶろびを追ってきたわけじゃないから、あくまでもあの時の空気感でしかないけれど、彼らは強大なジコに畏怖しているわけでも平伏しているわけでもなく、単に「ジコはすごい」と割り切っているように見えた。その上で自分の立ち位置というか、なすべきことを見つけてそれぞれに活路を見出しているというか。ジコの振舞いによる部分も大きいのかもしれないけど。

思い返せば過去に色々と問題はあったものの、なお7人で活動を続けているのは大きな強みだし、彼らがどうしていきたいかのひとつの答えでもあるような気がする。「グループあっての個」というか。どのグループもこの考え方にならざるを得ない部分はあると思うけど、ぶろびの場合はジコのパワーが圧倒的すぎるのに、それでもグループが存続しているのは、心底そういう考えのもとで穏やかに結束しているからかなーと思ったり。

ユグォン=?

で、ユグですよ。彼がこの中でどういう役割なのか、と言われると難しい。

年も真ん中、背も真ん中、かっこいいとは思うけれど揺るぎないビジュアル担当がいて、ダンスも歌もできるけれど突出しているわけではない。全部中の上というか。

7人いるとパーソナリティも伝わりづらくて、私の中では長年「顔がタイプの人」。それが7月のライブでぼんやりと魅力に気づきかけ、今回のT2Uで完全にわかった。「この人なんでもできるじゃん…!」と。

ちょっと踊ればかっこよくて、いたずらっぽい表情も似合って、ライトによく映える骨格。癖のある歌い方は好みがわかれそうだけど個性的だし、振舞いは自然体で飾り気がない。

そして何より彼のアイデンティティになりつつあるのは「絶対的な日本語担当」であるということかと。想像以上に話せて本当に驚いた。通訳さんはテイルにしか話しかけないし、MCともスムーズに会話しているし、何ならジョークにジョークで返す余裕さえあった。かしこまって「僕」、くだけて「俺」の使い分けをしたときに、あっぱれと思った。日本語を担うことを本人がどう感じているのかは謎だけど、嫌なことは嫌と言いそうだから、きっとまんざらではないと信じたい。単にあれだけ話せるほど努力していることに頭が下がる。My Zoneのリリイベで、どうやって日本語を勉強するか問われ、彼は真面目に実践的な勉強法を答えていた。何に対してもやるとなったら懸命に取り組むんだろうなと、それを聞いて好感を持った。

話はそれるけれど、言語の習得には、単語や文法の記憶もさることながら、実際に使う中でどこをどうしたら言葉が成り立つかを把握する感覚的な部分もかなり大きく影響していると思う。勝手な想像だけれど、返事の仕方や場の盛り上げ方を見ていると、ユグォンはそれも優れている気がしてならない。

努力もできて感覚もいいとなると、陥りやすいのは器用貧乏になること。

オールマイティさを前向きにとらえるか、芸がないと思うかで、その人の芸能人生は大きく左右される気がする。対比するのはアレですが、これを苦にして、個性を発揮しきれずあらぬ方向に進んでしまったのはスジュのソンミン、肯定的にとらえてひたむきにスキルアップをはかって実力をつけたのが2PMのジュノだと私は勝手に思ってます。

どこかのインタビューでユグォンは、「自分の一つ一つをとるとあまりたいしたことはないけれど、全体的に見れば悪くないと思う」と、かなり的確で肯定的な自己分析をしていた。多分自国デビューからそう経ってない頃のものだったはず。自分の立場を冷静に見て、やるべきことをやり続けていくことが、奇特な芸能界ではどんなに難しいか計り知れないけれど、ぜひこのスタンスを崩さず、飾り気なく、ある意味頑固でいてほしいなと思う。

とはいえ、この飾り気のなさがアイドルという職業の、特に恋愛面では枷になっている気も。私が知ってることなんて取るに足らないレベルだから、実際彼のアクションがどのくらい影響を及ぼしているかわからないけれど、誰に何と言われても、自分のすべきと思うことを、身の丈にあった解釈をして、契約関係の発生する場ではやり遂げる潔さ、私はいいなと思う。自分がアイドルだったらプライベートとの境目を曖昧にして心を病むと思うから、自分の考えに頑なでいられる強さはうらやましい。

だからこそ、「そんなこと言わなくていいのに」ってことまで正直に口に出してしまうところはご愛嬌というか。そういう馬鹿正直さが彼をいたずらっぽく、かわいらしく見せてると思うので。ファンが彼を見る目はそれぞれだから価値観を押し付ける気はないけれど、私はそう思う。

私は踊っているユグが好きだ

で、これだけ全方面的に褒めておいてアレだけど、やっぱり彼は踊ってるときが一番輝くと思った。歌うのがダメとは言わないけど、テイルちゃんがいるんだから、対してもっと動きのあるパフォーマンスが観たかったなあというのが正直なところ。

初日はかなりいいポジションで見られて、そのせいで沼にハマる羽目になったのだけど(てか至近距離で見て株が上がるってやっぱりアイドルはすごい)、トークの時やバラードを歌ってる時とは打って変わって、品行ゼロでの表情が圧倒的に色気があってドキドキした。動いてる時にこそ彼の真価は発揮される気がする。それをわかってあの曲を作っているであろうジコはさすがです。

テイルの話

ここまでユグのことばっかりだけれど、今回のライブでテイルもとても好きになりました

彼はユグとは真逆で、感性豊かで突拍子もないところに茶目っ気がある。無理して日本語を覚える気などさらさらなさそうで、できないことはできなくても別に良くて。そのスタンスが見ているこちらの肩の力を抜いてくれる。そしてこんなに自由奔放なのに歌が抜群にうまい。Kドル界に歌うま枠がたくさんいる中、テイルののびやかで澄んだ声はとても聴きやすくて好みです。

しゃべくりでいうところのユグは上田でテイルちゃんはホリケンのようなwこの2人、お互いを補完しあっていいコンビだったと思う。ユグは誰と組んでもうまく作用しそうだけど、2人が醸すあの笑えて穏やかな空気感、よかったです。

結論:とても楽しいライブでした

最後はハイタッチもあり。テイルちゃんは私と背があまり変わらない上に近づいてくるから、顔がものすごく記憶に残っている。その余韻醒めぬうちにさっぱりとしたユグのタッチが終わったので、最後の記憶は「テイルちゃん!(~Fin~)」っていう感じwそうやって色んな感情をチャラにしてかっさらっていくところも好きですw

箱が狭い上に飲みながら和やかに楽しめて、最後にはハイタッチまで出来て、なんだかものすごく充実したライブだった。最近ぶろび全体でのカムバがないから寂しいけれど、絶対的な存在で、これからもそうであろうジコを筆頭に、グループを主体として幅広く活動している彼らを、ユグを贔屓しながら見続けたいなと思いました。